
Source: abc
【abc/2012/10】ある日、ジーノ・コヴァッチ氏がマイアミ近郊のポンパノビーチ(フロリダ州)を散歩していると、なにかボールのようなものが転がっているのを見つけた。もっとよく見ようと何気なく近づいてみると、それはソフトボール大ほどもある、巨大な青い眼球だった!
コヴァッチ氏はサウス・フロリダ・サンセンチネルの取材にこう答えた。
「その目は綺麗で、澄んでいて、まだ新鮮でした」
コヴァッチ氏はその眼球を保存して、セント・ピーターズバーグに送って分析しようと考え、すぐに標本として、フロリダ州の野生動物の保護団体(Florida Fish and Wildlife Conservation Commission)に引き渡した。
はじめ彼は、自分が見つけたものはイカかタコの目玉だろう、と思っていた。しかし専門家たちが調べたところ、確かではないという。
「なぜなら、眼球のまわりの骨が、イカの骨の仕組みと異なっているからです」
と、保護団体の代表者、カーリ・シーゲルソンは言う。イカもタコも無脊椎動物であり、深海には10メートルを超える巨大なダイオウイカなどがいることで知られている。だがいずれもこの眼球の持ち主とは考えられない、というのである。
では、ほかにどんな生物が、こんな巨大な眼球を持っているのだろうか?
「判断を下すには、まだ早いと思いますが…」と、それ以上確証がないまま推測を膨らませることを避けつつも、巨大な魚である可能性を指摘した。
「可能性の一つとして、メカジキが考えられます」彼女はそう言ったあと、やはり確信はない様子でつづける。
「…ですが、100%魚である、とも言い切れないのです」
億万長者の邸宅が建ち並ぶ陽気な南フロリダの海深く、この不思議と美しい青い目は、人間のうかがいしれないどんな景色を映してきたのだろうか。