
Source: BBC
私は12秒じゃでないよ、と思ったとしても、これは便意をもよおしてから実際に排便するまでにかかる時間のようだ。“ウンチ” という誰からも切っても切り離せない愉快な物体について、学者たちの研究が、興味深い事実を明らかにした。
【BBC】BBCと流体力学者のダニエル・チュー、そしてアトランタの動物園で 34種もの動物の排便の瞬間を撮影し、調査のために拾いあげてきたキャンディス・カミンスキ、ラマカらの研究チームによると、
66%の動物は、5~19秒の間にウンチする
動物園にいる様々な動物たちの、実にバラエティー豊かな形状・大きさ・臭いのウンチが、この排便にかかる時間の仮説を裏づけてくれた。
研究者たちはさらに、採取したウンチを“流量計”と呼ばれる装置にセットした。これはシャンプーやチョコレートなど、ドロリとしたものの動きを正確に測定できるミキサーのような装置だ。これを使えば、ウンチが出てくる速度を測ることができる。その結果わかったのは、「大きな動物はより長いウンチをし、排便のスピードも速い」ということだった。
たとえばゾウは、秒速6cmで排便する。この速度は、なんと犬の6倍だ。
ちなみに人間の排便速度は、秒速2cmであるという。
このことは、どんなにいろいろな大きさのウンチがあろうと、動物が排便にかける時間は、およそ12秒で共通している、ということも示している。(前後の誤差はせいぜい7秒程度)ゾウのウンチが20リットルもあり、犬のウンチが10ミリ・リットルしかないのを考えると、驚くべき誤差の少なさだ。
一体、大きな動物はなぜ、こんなハイスピードで排便できるのだろう?
答えは、大腸の内側を覆う薄い粘膜層にある。この層は人間の髪の毛ほどの厚みしかないが、とても滑りやすい。そして大きな動物はウンチも大きいが、より厚くて滑りのよい粘膜の層も持っている。それが排便にスピード感をあたえているのだ。
こうした研究は、ただおもしろいだけでなく、もっと実用的な分野にも活かされることになるだろう。たとえば、宇宙飛行士が宇宙服の下にはくオムツ。人のウンチの粘りけを調べることで、将来まったくべたつきを感じないオムツが開発されるかもしれない。(この構想は実際に NASAの Space Poop Challengeで準優勝まで残った)
物理学や数学は、便器の中でだって、応用できるのだ。
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