
Source: Al-Rai
伝書バトの背中に麻薬をくくりつけて密輸。そんなマンガのような事件が、クウェートとイラクの国境で起こった。
クウェートの新聞、Al-Rai によると、
【Al-Rai】2017年5月23日、ハトはイラクからクウェートに侵入してくる途中に発見され、ちょうどクウェートの税関ビルの上を通りかかったところで捕獲された。

Source: Al-Rai
ハトの色あいにしっかりコーディネートされた手作りバックパックに、178錠のエクスタシーの錠剤が詰まっていた。
驚くべきことに、ハトによる密輸は今回に限ったことではなく、最近増えているのだという。
なぜならハトの帰巣本能を利用すれば、国境や塀を越えて100マイル先でも積み荷を飛ばすことができ、再利用もできるからだ。

ハトによる密輸を描いた映画『Pleasure Island』 Source: GQ
ハトによる密輸を特集した【GQ】の記事によると、ハトは自分の体重の 10%の重量を運ぶことができる。ハトの体重は 300~500gなので、一羽が一度に運べるのは 30~50g。コカインで想定した場合、その価値は 2500ポンド(約 35万円) に相当するという。
こうしたハトが最初に捕えられたのは、刑務所だったようだ。麻薬をくくりつけたハトを塀の外で飛ばし、受刑者が中で受け取る、といったケースが、ロシアやブラジルの刑務所で確認されている。
コロンビアでは、たくさん背負わせすぎてハトが飛べなくなってしまい、ハトが刑務所の塀を飛び越えられなかった、という珍事件もあったという。
第一次世界大戦中、各国が軍事機密を託した伝書バトを、飛ばしたり撃ち落としたりしたという戦いがあったことはよく知られているが、それから一世紀たった今再び、麻薬組織と警察によるハトをめぐる苛烈な空中戦が繰り広げられるかもしれない。
個人的に、このあとハトがどうなったのか気になる。
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