【アラスカ】壁じゅうドル札で覆われたバー【奇妙な習慣】

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ODDITY CENTRAL】アラスカ最大の都市アンカレッジから南へ320km、荒涼たる北の海に突き出た細長い岬の先端付近に、古い漁師小屋のような木造のバーがある。

「ソルティー・ドォグ・サルーン」は、地元ホーマーの住人なら知らない人はいない名所だ。なぜなら、小屋の中の壁という壁、天井までもが、本物のドル紙幣で埋めつくされているからだ。

1ドルよりも高くなってしまうが、1000円札を壁じゅうに貼りつけたバーを想像してみてほしい。客たちは寒空の下わざわざ遠方から車を走らせ、お金を眺めてちょっとニヤリとしながら酒を楽しむ。

酔った女性客がその場で脱いで貼ったんだろうか? Source: ODDITY CENTRAL

紙幣には一枚一枚客の落書きがあり、なぜかブラジャーやパンティーまでついでに貼ってある。

この一見、常軌を逸したような壁は、おもしろいことに自然発生的に生まれた。はじまりは、何十年も前に一人の男性客が、1ドル紙幣を壁にピン留めして出ていったことだった。

謎のドル札を見ておもしろがった客が真似し、すぐに流行って、この店独特の風習として定着した。後に、最初に紙幣を貼った男性は「友達が後で寄ると言ってたから、彼の酒代を残していったんだ」と説明している。

だが後の客たちは、紙幣に店の感想などを自由にメモして貼るのを楽しむようになった。今では、長年のあいだ貼りつづけられた紙幣でびっしりで、新しい紙幣を貼る隙間がないほどだ。

天井からも鍾乳洞のようにぶらさがっている。Source: ODDITY CENTRAL

バーに使われている建物はとても古く、1897年、アラスカに入植者の街ができたころに、農家の小屋として建てられたものだ。それから、建物は数年間、郵便局として使われ、駅舎や、食料雑貨店、石炭採鉱の事務所、石油会社、など様々な用途を経た末に、1957年、このソルティー・ドォグ・サルーンになった。現在では、ホーマー・スピットにある唯一のバーである。

1964年に震災にあい、建物は一度水浸しになったが、その後もとの場所から移築してリニューアルされ、トレードマークになっている小さな灯台がつけたされた。

100年以上使いつづけられてきた小屋は、冷たい波に洗われる陸の果てで、今日もドル札とともに時を重ねている。

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